先輩、私だけに赤く染まって

この口で和樹とのことをお母さんに話すのは初めてだった。


付き合っていたときもその話はしなかった。


和樹が親に話してそれ経由で伝わっていた可能性もなくは無いけど、それだったらお母さんはきっと私に言ってくるだろう。


お母さんが和樹との未来を期待してることはなんとなく感じていた。


口に出されたことはないけど、よく知っている和樹のことは息子のように可愛がっていたから。


だけどお母さんには悪いけど、私は和樹との未来は思い描けない。


「あら、そうなの…」


やっぱり少しだけガッカリしているように見える。


一緒に夏祭りに行くと思っていたのに、急にこんなことを言われた戸惑いもあるだろう。

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