魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜

励ますようなセリフに心が軽くなった。

悩んでいる暇はない。ヴァルトさんの言う通り、年末には一年で一番大きなイベントがあるんだから、うまく利用しないともったいないよね。


「では、さっそくですが皆さんに提案があります。《レクエルド》のクリスマスイベントは、ずばり、“世にも不思議なサンタさん”をテーマにしようと思います」


首を傾げる三人。

私は、夜な夜なパソコンで作ったプレゼンデータを見せながら説明をはじめた。


「やはり、クリスマスシーズンの目玉は、なんといってもイルミネーションです。なので、大きなモミの木や外観に綺麗な明かりを灯して、“映え”を目指そうと思います」

「なるほど、イルミネーションか。どこもすごい賑わいだよね。俺が都市にいた頃から流行っていたよ」


楽しそうに腕を組んだヴァルトさんに、ケットが続く。


「“世にも不思議なサンタさん”って、どういうこと?」

「それはね、ウチの良さを生かして、他の店が真似できないようなインパクトのある企画をしたいってことよ」

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