キミのこと痛いほどよく分かる
悲しい区切りを
どうして、生まれてきたんだろう。

私ほど、こんなに憎たらしく、惨たらしく、そう思っている人はそんなにいないだろう。

そうやって、自分のことをずぶ濡れな子犬を見るような気持ちで、慈しんであげられる頃は、まだ良かった。

雪が降っている。

無人駅のホームで、私はぼぅっと、隔てられた空間の壁を見つめていた。

それは本来なら、絶対に超えてはいけない領域のように思われた。

でも、今まで自分にしてきたこと、その、憎くて悲しい人たちに、やっとこれでサヨナラが言える。

もう、ここで終わるって決めたんだ。

なんだか不思議なくらいに澄んだ空気だ。

これだけ透明な空気なら、寂しさに雪がちらつくのも確かに納得だ。

驚くぐらいに冷静で、穏やかな気持ちだ。

私に、シアワセなんて、なかった。


セカ、イが、傾いてい、く...。
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