どうしたらヤンキーになれますか!?-六花の恋ー【完・修正中】
大変元気の良い返事をして机の上をささっと片付ける母親。
俺はキッチンから皿を運んで、向かい合わせに並べてから椅子に座った。
「作之助すごいよね。よくこんなに覚えたわ」
「……自分で作るしかなかったからな」
あ、ちょっと嫌味になったかな……。
まあ、嫌味のひとつふたつ言いたくなる環境だったと思うけど。
「うん……ごめんね、本当に」
「……別に謝んなくていいよ。おかげで家事出来るようになったし」
なんか辛気臭い雰囲気になってしまった。こういうの苦手だから話題変えよ。
「そういえばあんた、あの人と何かあったの?」
「あの人?」
母親は誰かわからなかったようで訊き返してきた。
「父親」
端的に言うと、母親は困ったような笑顔を浮かべた。
「……作之助―、そろそろ父さん母さんとか、呼ばない?」
「なんで今更そんな呼び方すんの」
今更っつーか今頃っつーか。
今まで呼ぶ以前にあんたらいなかっただろ。
「くっ……そうよね……今更親扱いしてなんて、こっちのが都合いいわよね……」
「………」
何言ってんだろこの人。あんたら一応でも親だろ。
育児放棄に近い状態で育ったからもうどうでもいいけど。
しばし無言が続いた。空気重たい。……俺の所為か。
「そうだ作之助。お友達とは仲良くやってる?」