仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。
「……ぅん、庵くんと友達になる。なりたい!!」
「え!? いいのかよ」
「え、断って欲しかったの? やっぱり……」
ネガティブな考えが頭をよぎった。もしかして、陽平くんに言われたから……?
「いやいやいや! 違う!! とっても、嬉しいんだよ! 知ってたんだろ? 俺が受け入れてないって……だからなんかびっくりしたんだよ。」
気づいてたのか……。そういうの分かっちゃうんだよね。
「そっか、あ…そういえばみんなは?」
「あー……悠介さんと理玖と蒼太はもうちょい後で来るよ。で、陽平は総長の病室。知ってるんだろ? 陽平が仮の総長だってこと」
「うん……この病院だったんだ」
彼は何も言わずにパイプ椅子に座る。