仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


「タキくん、いっくん……」

月輝に入った頃から追い出されるまでずっと仲良くしてくれた彼ら。
私は彼らを知らないうちに苦しめていたんだ……。

「陽愛さんっ……ごめんなさい。俺たち、謝っても許されないことしましたっ……本当に、」

土下座をしちゃうんじゃないかというくらいに彼らは座り込み下を向いた。
その時私の手を繋いでいた陽平くんの手が離れた。だから……。

「……もう、謝らないで……。タキくんいっくん、頭あげて……」

「ひ、よりさん……っ」

「ごめんね、私のせいで苦しめて……本当にごめん。
2人が私を選ばなくてよかったよ。私なんかよりも大切なのは家族だよ。

私ね、月輝を追い出された次の日にね唯一の家族だったお母さんが死んじゃったの。

今の私だから家族の大切さが当たり前に大切な人が隣にいる毎日が幸せなんだって思える……今、ある幸せをずっと陽平くんの隣で感じていたいから」



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