仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


「え……なんで? 前は高校卒業するまで辞めないって」

「そのつもりだったんだけど……俺、」

彼は海面に映る月を見つめ、微笑んでからまた話し出す。

「…俺はずっと、日向が全てだった。日向にいると自分らしくいられて、俺にとってはかけがえのない居場所で守りたい場所だし大好きだよ、それは変わらないこと……

でもそれ以上に、日向よりも大好きで守りたい存在が出来たから。日向に注いできた愛情を、すべて陽愛に捧げたいんだ。
これから先、何があっても揺るがない気持ち」

「……でも、私のこと大切にしてくれてるの分かってる。けどなんで、辞めるの?辞める理由なんて「あるよ」」

彼は私の言葉を遮ると、私を抱きしめる。

「……俺が続ける限りは俺の彼女で姫の陽愛が狙われる。陽愛は……俺の弱点だから。
けど、俺が日向じゃなくなったら狙われたりしなくなる。俺は、陽愛を守りたい。」

彼は少し体を離すと静かに膝まずいて、白色の小さな箱を取り出した。それを見ただけでその箱の中身がなんなのか分かってしまう。




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