仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。



「……もう行くね、じゃあ」

私は彼に何も言わせずに初めて彼より先に家を出た。久しぶりにバスに乗って学校に向かう。沢山の目線が痛い。だけど不思議と怖いとは感じなかった。


「あれ? 朝倉さん来てるよ〜〜生きてたんだ」

「ほんとだ。死んだかと思ってたよ」


生きてるし!!
出席日数だって、足りなくなったら卒業できなくなる。そうなったら困るし、来るに決まってる。


「……なんだ、来たんだ“裏切り者”さん」

「最近来なかったからさ、どうしたことかと思ってたよ」


最近って軽く、数日じゃん。しかも、心配なんてしてないくせに何言ってんの。





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