仮の総長様は向日葵のような元姫さまを溺愛せずはいられない。


「ごめんなさい。私、姫にはなれ「…わかってるよ」」

……え、どういうこと………?


「陽愛は、姫にならなくていい。あそこにも行かなくていい。」

……姫にはならなくてもいいだなんて。私が元姫だから? だから、来るなって思ってるの?


「ただ……側に、俺のそばにいてほしい。俺の横で笑っていてくれればそれだけでいい。」

「なんで……私が元姫だからっ……? やっぱり、私…………」


下を向いていると、彼にまたぎゅっと抱きしめられた。

「……元姫だからとかそんなんじゃない。俺だけの気持ちとしては、陽愛には姫になってほしいよ。けど、陽愛の気持ちは暴走族とは関わりたくないだろ? また信じて裏切られたらどうしようって、信じたくないって思ってるんじゃない? 怖いって気持ちがある限り、俺は無理矢理姫にしようなんて思わない……陽愛の気持ちが何よりも大切だから。」


そう言って、彼は私の頭を撫でると私から離れた。

すると、差し出したのは以前と同じスウェットを渡されて浴室まで案内をされ浴室に押し込まれた。


「また服を取りに行こう。」
そう言われて……シャワーを簡単に浴びてから彼のいる部屋に戻った。
































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