0センチの境界線


──────最近のアイツはなんだかおかしい。









「おいおい、今日は何だよ?」

「…………別に、」



部活帰りの帰り道。

不本意ながら、佐々木の隣を俺は歩いている。

ほんとうに不本意ながら。



「俺の素晴らしいアドバイスへのお礼か?いやあ、やっぱり俺ってすげえって?」

「は?」

「は?じゃないよ。んー、そうだな。お礼は可愛い女のコの紹介でヨロシクな」

「ちっげえよ、バカ!」



俺は佐々木に文句はあれど、感謝はない。

コイツの間違った入れ知恵のせいで被害こうむってんだから。


< 181 / 288 >

この作品をシェア

pagetop