0センチの境界線

怪獣の秘密(side飛鳥)



──────ありえない。ありえるはずない。

これが、あの頃の俺の心の口癖。









「へえ、宮くんって毎日告白されてんだね、」



休み時間。どこかのクラスのもう名前も忘れた誰かの呼び出しから帰ってきて席に着いた瞬間。

隣の席のちっこい女は、興味なさそうに俺のほうを見つめながら欠伸をした。

興味ないなら話振るなよ。



「別に毎日って訳じゃないけど」

「えー、そうなの?昨日も今日も呼び出されてるからそうなのかと思ったー」



………たった2日で毎日なんて言うな。アホか。

ていうか、本当にコイツ───山之上さんは俺に興味がないらしい。

ただただ隣にいるから話してるだけ。


昨日はそれって本名!?とかなんとか、無茶苦茶興味津々だったくせに。

寝たらその興味どこ吹っ飛んでったわけ?は?


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