本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~
「………膨れてないでおいで。一条様がくれた時間を大切に使おう」

「………はい」

コンビニの買い物袋から買って来た物を広げてのクリスマスの夜。私達はワインとカクテルで乾杯をする。一条様は感の鋭い方だから、私達の関係に気付いていて一緒に過ごせる時間をプレゼントしてくれた。そうでなければ、ルームサービスからレストランへの変更などしない。

「今日は一緒に過ごせるなんて思ってもみませんでした。一条様に感謝しなくちゃ!ですね」

「そうだな。一条様はどことなく孤独な方だから、恵里奈に話を聞いて貰えて嬉しかったんだと思うよ」

「初めは怖い方かなって思ったんですが、話していくうちに全然そんな事はありませんでした」

「……今思い出しても、恵里奈の一条様への突っ込みは凄かったな」

「あ、アレは突っ込みじゃないですってば!」

「本当言うと一条様をなだめるのは大変だったんだぞ!」

「あー、やっぱり…。やっぱり、そうじゃん…」

疲れているせいか、二人共、酔いが回るのが早かった。久しぶりに一颯さんと笑って、沢山おしゃべりした気がする。

「恵里奈……」

「はい?」

「まだ触れられるのが怖い?今日は一緒に寝たら阻止出来ないと思うから、怖いなら俺はソファーで寝るよ」

「……嫌です!一緒に寝て、一颯さんといっぱいギュッてしたいです」

ブンブンと首を横に振って否定をして、一颯さんに抱き着き、軽めのキスをした。
< 134 / 240 >

この作品をシェア

pagetop