仮面花嫁~極上社長は偽り妻を乱したい~
妹の真由香は地元の沖縄で製菓の専門学校に通っている。将来はパティシエになるのが夢なのだ。
「ご両親は?」
「母はいますが、父は私が小さいときに亡くなりました」
父親が健在だった頃は東京に住んでいたが、亡くなった後は母親の実家がある沖縄に引っ越し、高校卒業までそこで過ごしていた。といっても祖父母もとっくに亡くなっており、頼れる伝手があるわけでもなかったが。
優莉は大学入学と同時に上京し、奨学金とアルバイトでなんとか卒業。その奨学金の返済と妹の学費を支払うために、生活をできるだけ切り詰めているのだ。
そこへきて火事ですべて燃え、とてもじゃないが生活の再建は無理だろう。
「そうだったのか……。浪費家なんて言って悪かった。ごめん」
神妙な顔をして隼が頭を下げる。
からかわれてばかりだったため素直に謝られるとは思いもせず、逆に居心地が悪い。
「いえそんな、大丈夫ですから」