たとえばあなたのその目やその手とか~不釣り合すぎる恋の行方~
「お前は俺に自分を信用しろと言ってるのか?今日会ったばかりの無鉄砲なお前をどう信用しろっていうんだ」

「信用させてみせます!」

「自分で何を言ってるのかわかってるのか?」

「わかってます!」

「お前とはもうこれ以上話しても無駄だ。そこをどけ」

その時、自分の意思以上のものが働いていたと思う。

まるで幼い子供が親にだだを捏ねるのにも匹敵するような。

全身で自分の気持ちを爆発させていたのかもしれない。

彼の前で無謀にも両手を大きく広げた。まるでとうせんぼするかのように。

「受けて下さるまでこことどきません!」

そこからは、もう自分が何を言ってるのか何をしようとしているのか不明瞭で記憶は薄い。



気が付くと、私は居心地のいい社長専用車に揺られ、彼の住む高級高層マンションの最上階のリビングのど真ん中に立っていた。

あれほど一人で突っ走るなと言われていたのに……。
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