俺様社長と<期間限定>婚前同居~極上御曹司から溺愛を頂戴しました~
 手放しで褒められて、居心地が悪くなる。

「俺は、綾花の書が好きだよ」

 貴士さんは優しい表情で半紙を見下ろしながらそう言った。
 その横顔が綺麗で、胸が締め付けられる。

 彼が愛しているのは姉の渚沙だ。
 そうわかっているのに、一緒にいればいるほど、彼への想いが強くなって胸が苦しくなった。







 貴士さんが我が家に来て二週間。


 私はすっかり彼がいる生活に慣れつつあった。
 今日は土曜で書道教室がないので、和装で居間へ行き貴士さんに声をかける。

「今日はお買い物に行くので、午前中は留守にしますね」

 そう言うと、貴士さんは手に持っていたタブレットを置きこちらを見た。

「買い物?」
「はい」

 私は車の運転できないので、重い食料や飲み物は少し離れたスーパーに宅配を頼んでいるけれど、ときどき散歩がてら近くの直売所へ買い物に行くのだ。

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