蓮華草
厄介な事になった。
落ち込む私に傷が痛むのかと心配した真昼が春を呼ぶ。
そうそれが厄介なんだ。
ありがたいのに、恥ずかしくて素直に気持ちを受け取れない。

「美蓮、傷が痛むのか?」
「ううん、ちょっと考え事してるだけ。大丈夫だから、戻っていいよ。春」
「嫌だね。俺は美蓮が心配なの。
だからもうちょっとだけ傍にいさせて」

どう言ったって、1度そばに来ると春は中々離れてくれない。
何か責任を感じているのだろうか、
聞いては見たのだが"心配なだけだよ"と曖昧に濁されただけだった。

私がその理由を知ったのは後日、
彼のとある噂が囁かれ始めた時だった。
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