ByeBye
2




樹と会ったあの日から、一ヶ月。


理由の分からないキスの一件で、私から連絡を入れることすら気まずくてできず、もちろん彼からくるわけもなく。あの日の出来事は謎に包まれたままだった。




今日は久しぶりに彩羽と会う日。
高校生の間で話題いなって言いるというクレープを食べに、私たちは街に来ていた。30分ほど行列に並び、ようやく今、手元にクレープが届いたところ。



彩羽の手元のクレープには、生クリームとイチゴがたっぷりのっている。対して私の買ったクレープはイチゴではなく生チョコがこれでもかってくらいのっているもの。

お店のナンバー1,2がこれだと、SNSに書いてあった。


一通り写真を撮った後、彩羽は豪快にクレープに食いついた。





「ん~!美味しい!」


そう言った彩羽は、本当に頬が落ちそうなくらい幸せな表情を浮かべてクレープを頬張っている。口の端についた生クリームがまたあざとくて可愛い。




「うん。美味しいね」




私も一口頬張る。確かに、生クリームの甘さは控えめで飽きず、生チョコもしっかりしていて本当に美味しい。



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