無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

わたしを責めるでもなく、全部わかったような口調で西河は言う。

「で、でも、穂波はわたしと話したくないかも」

ほんとは自分が向き合えないだけなのに、穂波のせいにするなんて……。

「そうかな? 俺にはそうは思えないけど。なにがあったか知らないけど、穂波が落ち込むのは上条のことしかないからさ」

「そ、それは盛りすぎだよ」

「ははっ。でも、穂波はいっつも上条の話をしてる。自慢の親友なんだって、俺が嫉妬するくらいべた褒めしてるのは事実です」

そう言いながら無邪気に笑う西河を見て、なにも言えなくなった。

穂波……。

「見る限り上条も元気ないしさ。話し合えば、たいていのことはサクッと解決するんじゃないの?」

話し合えばサクッと解決って、簡単に言ってくれるよね。

人に聞かれても仕方のない場所で西河のことを話したわたしが悪いとはいえ、そう簡単なことじゃない。

「とりあえず、あいつまだ教室にいたからこれ」

有無を言わさずランチバッグを渡された。

「じゃあ、またな!」

「ま、待って……!」

部活へ行こうとした西河を思わず呼び止める。

「どうした?」

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