メーティスとホームズの子孫
シャーロックがそう言い、和香にさりげなく抱きつく。和香は「ホ、ホームズさん……。私に抱きついても疲れは取れませんよ」と顔を赤くするが、シャーロックは「いや。とても癒される」と和香の頭にキスを落とした。

「ホームズ!疲れたなら和香に抱きつかないでどこか行けばいいじゃない!!和香は僕と謎解きを楽しむの!!」

ジョンが慌てて和香とシャーロックを引き離す。そして和香の手を握ったのだが、その握り方に和香は「へっ!?」と声を上げた。和香とジョンの指はギュッと絡められている。

「ワトソン、ろくに推理のできない君と一緒になっても和香が困るだけだろ」

「そう言うホームズだって、パーティーを楽しんでなくて和香を困らせているよ」

バチバチと二人の間に火花が散る。困り果てた和香は現実から逃れようとパーティー会場を見回した。その時、メアリとナンシーが壁際に移動していることに気付く。和香は耳に神経を集中させた。

「ダメだわ……。まだ体がダルい。あなたに調合してもらった薬を飲んでいるのに」
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