メーティスとホームズの子孫
「スムージーに毒を入れれば、作った人間が犯人だと疑われる。仮にスムージーを作った使用人が犯人だとすれば、自分が疑われないように誰もが触れることができるグラスに毒を塗っておくだろう」

「なるほど〜」

透だけでなく、ジョンも感心していた。和香はシャーロックと玲奈の推理に驚きの眼差しを向けている。

華やかなパーティーは、主役を死によって幕を閉じた。



ベーカー街に戻ってから、シャーロックはずっと事件のことを考えている。その横顔を和香はジッと見つめていた。

レストレード警部たちが参加者に詳しく事情を聞いて回り、和香たちも事情聴取に応じた。その後、メアリの友人たちに話を聞いたのだ。

「メアリとは小学生の頃からの友人です。ここにいるビクター、グラント、ジェームズもそう。五人でよく色んな場所へ遊びに行きました」

ナンシーが泣き出しそうな顔をしながら言い、和香の胸が痛んだ。友達を目の前で失い、どれほどショックだったか計り知れない。
< 25 / 35 >

この作品をシェア

pagetop