彼氏からの手紙

彼氏が死んだ。それは突然の事だった。
バイクで事故にあったらしい。

悲しいという感情よりも突然起きた事に対して頭が理解に追いついていなかった。私は魂が抜けたように呆然としていた。なんで彼なんだろう。何時間も考え続けた、


あと1週間で付き合って1年記念日のはずだった。クールな彼はたぶん記念日なんて覚えてなかっただろう、それでも私はサプライズでアルバムを必死に作ってあげようと思っていたのに辛い。悔しい。

それでも不思議と涙は出なかった。悲しみも極限までくると脳が理解出来ないみたいだ。

彼の母に会った。とても悲しそうだった。
私よりも家族の方が辛いのかも知れない。いや悲しみに順番なんて付けるもんじゃない。

「これを美希ちゃんに」

「はい」

彼の母から白い紙袋を渡された。私はすぐに中身を確認した。

そこには沢山の写真が入っていた。

私と彼の写真。初めて動物園に行った時のだ。二人とも満面の笑みだ。

白い手紙も添えてあった。

「美希へ、いつも一緒に居てくれてありがとう。1年記念日ありがとう。少し照れくさいけど手紙を書いてみました。」

記念日覚えててくれたんだ。

「初めて行った動物園覚えてる?すごい楽しかったね、電車間違えちゃって大変だったけどいい思い出になったね」

覚えてるよ。覚えてるよ。

「いつもご飯作ってくれてありがとう。夜遅くにも眠そうにしながらでも作ってくれてありがとう」

ありがとうばっかり、普段は言ってくれないくせに、眠そうにしてないってば

「久しぶりに手紙書いて緊張してます。美希ちゃん、いつも本当にありがとう」

ありがとうばっかりじゃん、私こそありがとうだよ

「本当にいつもありがとう」

そればっかり、うん、、私こそだよ、私こそありがとうだよ、いつもわがままばりでごめんね

「美希の彼氏にふさわしく出来てるかな、これでも最近オシャレに気を使ってんだよ」

うん、最近オシャレだと思ってたよ

涙が出てきた。

「ごめん、おれ、文才無いから美希のこ好きってことしか書けないや、恥ずかしいけどめちゃくちゃいつも感謝してるし愛してます」

愛しててるとか、普段言わないくせに。私も愛してるよ。

ありがとう。ありがとう。

「今度はまた動物園に行きたいな、約束ね」

私はそっと手紙をとじて。ギュッと胸に閉じ込めだ。今での気持ちがぐちゃぐちゃに混ざりあって私は泣いた。私はまた泣いてしまった。

会いたいよ。
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