(短編)初恋オムライス
「くるみちゃん、もう一回呼んで」


「あっくん」


「くるみちゃん」


彼が眩しそうに目を細めて私を見るから、ちょっと恥ずかしい。


「ついでに、これからは敬語もやめていいからね」


「そ、それは少しづつで」


「少しづつね。じゃあまた話しかけるから慣れていって」


彼の優しい口調に思わず口元がほころんだ。


「う、うん」


あ、でも彼のこの表情は。


幼稚園児のみうちゃんを見るような感じに似てるかも。彼から見たら私って5歳児の子供と同じなのかもしれないな。


そう思うと、寂しいような少しホッとするような落ちつかない変な気分だった。


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