(短編)初恋オムライス
そこにはフロアスタッフのアルバイトの人たちが5人でテーブルを囲んでいる。


「ど、どうも」


「大石さんも一緒に食べよ」


その中の女子の一人が気を遣うように声をかけてくれた。


「あ、はい」


だけど、それきり会話は続かなくてかなり居心地が悪い。


私以外はフロアスタッフの人達だったから完全にアウェイ状態。


厨房のスタッフはパートさんや年上の社員ばかりだから、私は高校生のバイトの輪からはいつもはずれていた。


普段はそこまで気にしていないんだけど、さすがにこんな時はちょっと寂しくなる。


仕方なくオムライスをもう一度食べるけど、なんだろう、あんまり美味しく思えなくて悲しかった。


食べるのが大好きな私はこの昼食を朝からすっごく楽しみにしていたんだけどな。


「あ、あのさ、くるみちゃん」
< 9 / 57 >

この作品をシェア

pagetop