エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
目が覚めると、いつもとは違う天井。小さなベッド。ここは実家だったのだと思い出す。

なんだか懐かしい夢を見た。記憶の奥底に沈んでいた、はるか遠い昔の思い出。

限りなく現実に近い夢。

起き上がりカーテンを開けてみると、雨が上がり晴れ間が覗いていた。差し込んでくる日差しが眩しい。

母は喜んでお洗濯をしているだろう。ずっと雨が続いていたから、やっと訪れた洗濯日和。

今日は両親と外でランチをして、その足で透佳くんの待つマンションに帰る予定だ。

透佳くんに早く会いたい。たった一日離れていただけなのに、こんなに恋しくなってしまうなんて。

引き出しから、婚姻届けを取り出して、そっとバッグにしまっておく。

早く彼の署名の横に、私の名前を記したい。



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