エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~

***

「あらあら、透佳(とうか)くん! 何年振りになるのかしら……立派になって……!」

顔を合わせるなり、母は感動で声を詰まらせた。

父も、うんうんと頷き、人のいい顔をいっそう柔らかく綻ばせている。

そして、目の前に立つ彼――須皇(すおう)透佳は、ふたりの期待に応えるかのように、精悍な顔つきで微笑んだ。

「本当にお久しぶりです。ずっとご連絡できず、申し訳ありませんでした。医師としてようやく自立いたしましたので、彩葉さんを迎えに参りました」

私はクラッと眩暈を覚える。

もう二度と会うこともないと安心しきっていた矢先、突然姿を現した彼。

まさか、私を迎え入れる準備を整えながら、虎視眈々とその時が来るのを待っていただなんて。
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