エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
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「あらあら、透佳くん! 何年振りになるのかしら……立派になって……!」
顔を合わせるなり、母は感動で声を詰まらせた。
父も、うんうんと頷き、人のいい顔をいっそう柔らかく綻ばせている。
そして、目の前に立つ彼――須皇透佳は、ふたりの期待に応えるかのように、精悍な顔つきで微笑んだ。
「本当にお久しぶりです。ずっとご連絡できず、申し訳ありませんでした。医師としてようやく自立いたしましたので、彩葉さんを迎えに参りました」
私はクラッと眩暈を覚える。
もう二度と会うこともないと安心しきっていた矢先、突然姿を現した彼。
まさか、私を迎え入れる準備を整えながら、虎視眈々とその時が来るのを待っていただなんて。