結婚って、こんなんでしたっけ!?  ~私と課長の成り行き結婚~
結局、父親の予想以上の上機嫌と、緊張が解けてホッとした課長は
その勢いのまま酒を飲みかわす。

そして、結婚の話も勢いをつけていく。

「穂高君、結婚のためにご両親と会いたいんだが・・・。」

「はい、今確認してみますか?」

スマホをポケットから取り出し、そのままご両親へ

「お義父さん、来週の土曜日はどうですか?」

「いいぞ!折角だから、私達がそちらに旅行がてら行く。」

「大丈夫だそうです。
 では、来週の土曜日に両家の顔合わせということで」

どうやら、来週の予定も決まったらしい。

本当にトントン拍子で進んでいくな・・・。


夜九時、まだそんなに遅くもない時間に関わらず、昼過ぎから
飲んでいた父と課長は、ベロンベロンに酔っ払い座卓に突っ伏
して寝ていた。


その様子を母が見ながら

「よっぽど嬉しかったのね。
 いつかは、心の旦那さんになる人とお酒を飲みたいっていうのが
 夢だったみたいだから・・・。」

しみじみとした口調で言った母の言葉に、私の涙腺もちょっと緩み
がちだ。

心の中で“お父さん、ありがとう”と声にならない気持ちを伝えた。


次の日、起きた二人は二日酔いに苦しんでいたが、これもいつか
笑い話になるのだろうと思えた。


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