結婚って、こんなんでしたっけ!?  ~私と課長の成り行き結婚~
翌日、記入した婚姻届をもって区役所に。

「はい、受理いたしました。おめでとうございます。」

メガネを掛けた窓口の人がにこやかに声をかけた。


「タカちゃん、結婚しましたね。
 私、久宝 心(クボウ ココロ)になりました。」

「そうだな、奥さんよろしく。」

「旦那さん、よろしく。
 私の部屋、解約した方が良いですよね。」

「そうだな、引っ越ししないとな」

「会社にも、言わないといけませんね。」

「そうだな。
 明日、二人で部長に報告しにいこう。」

「うん。」


私、綾瀬心、改め、久宝心になりました。


「そうだ、取りあえず指輪でも買いにいくか。」

「あ~、結婚指輪?
 そうだね、形だけでもあった方がいいよね。」

「お前は欲しくないのか?」

「あんまりアクセサリーとか普段からつけないから・・・。
 でも、指輪くらいはした方がいいよね。」

「う~ん、俺もなんかつけるのめんどくさいかも。
 やっぱりやめとくか。」

「どうしても必要になった時でいいよ。」

「そうか~?じゃあ、それで。」


“やっぱり指輪って必要なのかな?
でも・・・邪魔そう。取りあえず、保留だな”


「折角、入籍したし、今日は外食しよう。
 何が食べたい?」

「じゃあ、奮発して回らないお寿司、お願いします!」

「了解!」



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