陽点  心の中の太陽

栄二には もう3年近く 抱かれていない。


美由紀が 高校受験の頃から

私達は 寝室を 別にしていた。


「ママ。数学 教えて。」

と言われて。

美由紀の 勉強を見たのが きっかけ。



数学は 口実。



私は 栄二に抱かれることが ずっと苦痛だった。



酒臭い息も 体を這う指も 全部が嫌で。


栄二に 触れられると 鳥肌が立った。


そんな私に 栄二は 全く 気付いていない。



私が 拒否すると 『浮気するぞ』と 脅した。



浮気してほしい。


そうすれば 栄二と 別れられる。




でも お金を 持っていない栄二は 


毎日 定時で 帰って来た。



< 37 / 79 >

この作品をシェア

pagetop