バイオレット・ダークルーラー
「麗蘭街の…主…?」
「朱里さん。あの人には本当に気をつけてください。…今後、麗蘭街で長い時間ひとりになっては絶対にダメです」
「っ…、」
「ボクやユズハが言いたかったのは、そういうコト。…シュリーはもう既に目をつけられているから、せめてこの街ではひとりにならないで。というかひとりにしないケド」
「分かった…」
覚悟を決めてそう言い切ったふたりの強い瞳に、わたしは深く頷いた。
――…麗蘭街の主。
…紫月さんは、麗蘭街の創設者はもう亡くなっていると言っていたし
わたしは紫月さんがそういう立場なのだとばかり思っていたけれど
やっぱり、誰かが中心となって動いているんだ――…。
「ごめん、待たせたね」