バイオレット・ダークルーラー
「シュリー!乗って!」
「っ、マッシュ…!」
紫月の部屋を飛び出すと、マッシュが駆け寄って来てくれた。
運転席には氷雨さん、助手席にマッシュ、後部座席の隣には店員さん。
緊急事態を知らせるように赤く灯り始めた街。人々は30分早い変化に戸惑い、叫び、慌てふためいている。
『真柊!?私、すみれ!今、各部門の捜索がスタートしたわ!前に麗蘭街に住んでた旧車會のヤツらも加勢してくれてるからっ!」
「リョーカイ!ボクらも今シュリーと合流した!愁世がもうちょっとでハッキングいけそうだってサ!」
『オッケー!分かったらすぐ連絡ちょうだいね!』
「チッ…、南から攻めていくか」
「麗蘭街から出てないことは確かなんだよネ…?だったら思い出の場所とかカナ…っ」
わたしはその間、紫月に電話をかけるけど電源が入っていない。
あとは目を凝らしながら、帰っていく人々の波に居ないかを見るしかなくて。
「っねぇマッシュ、支配人さんすごく具合が悪そうだったの」