イケメン男子と疑似恋愛⁉︎


それにその本の中で言っていた、“諦めなければ、恋は叶う”っていう言葉。

中学生だった私は、それをまるっと信じてしまって今に至る──わけなんだけど。

現実はそう甘くはなくて。

なかなかそういう運命的な出逢いを経験したことは、一度もない。

──なんて、考えていると


「はい。これ」

そんな声が聞こえてきてハッとすると、今まで散乱していたはずのノートが、いつの間にか綺麗に重ねられていた。


「あっ……ご、ごめんなさい!」


慌てて、謝る私。

うう…やってしまった…!

また二次元の世界に入り込んでしまっていて、自分が落としたノートを相手に拾わせてしまうなんて…っ

私ってば情けなさすぎる。

落ち込んでいると、目の前からクスっと笑い声がして、少し上を向くと──

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