2番目

止まった時間





「玲司、ごめん」

「どう、して?」


どうして、美玲が謝るの?


「わたし、もう耐えられない」

「俺じゃ、美玲を助けられないの?」


このとき俺はまだ、自分のせいでいじめられていたことを知らなかった。

それなのにこんな残酷な質問をした俺を誰か、殺して―――。



「うん。もうバイバイしよ」

「美玲!」


またね。そのセリフは嫌い。

もう二度と訪れないかもしれないから。



でも、バイバイって言葉はもっと嫌い。

永遠の別れのように思えるから―――。


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