不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。下
この中に能力者がいるとは知ってはいたが、こんな唐突に言うとは思ってもいなかった。
みんな、口をぽかんと開けたままアカリを見て固まっている。
そして、当の本人は、
「は?何言ってんだ?」
えええええ?
「アヤトくん、まじでこのアカリって人が…?」
「そう。カケルくん気づかない?」
「ないない!全くわかんない!!」
ジロジロと思わずアカリを見るが、そんな雰囲気は1ミリもない。
ましてや本人も無自覚らしい。
「僕、この人の心だけは読めないんだ」