Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
「おい、レイ! 起きろ」
「んー? ……あれ、ユ……ウ」
何でユウが……って、ああ! 昨日……。
ま、起こしてくれたのは良いんだけど……まだ外真っ暗なんだけど!?
しばらくぼーっとしてから、眠い目を擦ってテントの外に出る。
先に出ていたユウは広場の端の木製の柵に頬杖を付き、そこからまだ何も見えない暗闇を見つめていた。
時計を見ると、5時半だ。
「ユーウ」
「おー、起きた?」
「ん。でも何でこんな早く?」
「真っ暗な内から見た方が良いかなって思った……んだけど、ちょっと早すぎたかも」
ユウはこちらを向いて、ペロッと舌を出す。
「んだよー。まだ寝れたじゃん……」
「そんなに不貞腐れんな。絶対後悔しねえから」
「随分と強気だね?」
「おう。楽しみにしてろ」
そう言いながらユウは持ち運び出来る折り畳み式の椅子を2つ広げ、片方に座る。
そんなものもあのリュックに入ってたのか……。そりゃ重い筈だ……。
私もユウの隣に座る。
椅子は思ったよりも低く深く、丸まるような形になった。
「……寒い」
真冬の、まだ太陽が出ていない今は体が小刻みに震えるほど空気が冷たい。
「寒い? こっち来るか?」
ユウがそう言うので、私は離れていた椅子を彼のに出来るだけくっつける。
私がまた座るとユウは私の肩を抱き寄せた。
「こうすればましになるか?」
「まあちょっとは。てか、ユウは寒くないの?」
余裕っぽいけど、自分は大丈夫な訳?
「寒いよ」
「何だよ、寒いんかい」
「え? そりゃあな。俺超人じゃ無いし」
少し震えた彼の唇から白い息が出るのが見えて、何だか少し彼を近くに感じる。