君と秘密のスキャンダル
#.3 地味子は隠す





***



「宮田さん、今日は映画を観に行きましょう!」



「うわぁぁあ!!」


校門からぬっと現れたそれに俺は盛大に尻餅をついた。



相変わらずの顔の見えないもっさい前髪に分厚い眼鏡、あの遊園地デート…いや、俺は断じてデートとは認めない!から、数日経っても音沙汰ないと思いきやこれだ。


……遊園地でのダサい俺を見て、もう現れないと思っていた。




「すみません、驚かすつもりはなかったのですが…」


「いきなりお前みたいなのが現れたらビックリするわ!あのお化け屋敷のお化け役並みだ!!」


あの日以来敏感になっちっまって、怖くて夜中にトイレにも行けないんだぞ!

髪でほとんど顔見えねーし、地味子じゃなくて貞子って呼んでやる!!









< 22 / 89 >

この作品をシェア

pagetop