イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
14. 合コンの夜

翌日、つまりクリスマスの朝、起きたらもうすごい頭痛だった。
身体が怠くて食欲もなく、会社を休んで病院行ったら子どもの頃以来のインフルエンザ。

当然、仕事納めも忘年会も欠席。
同僚のみんなには申し訳なかったけど……休む口実ができてホッとした。
とても笑える気なんてしなかったから。

そして。
大掃除もせずにひたすら寝て、気付いたら除夜の鐘が聞こえてて――

年始は、インフルを口実に帰省しなかった。

熱はもう下がってたし帰れないわけじゃなかったけど、あの両親に会うエネルギーなんてなさそうだったから。


……でも。


人間って不思議だ。
どんなに気持ちは沈んだままでも、健康体に戻ってからはちゃんとお腹が空く。
お腹が満たされれば、それを消費しなくちゃと、動き出したくなる。

買い物に行き、料理を作って食べ、掃除と洗濯をこなして、眠る。
そうやって、わたしは少しずつ、日常生活を取り戻し始めた。


そして新年、仕事始め。
同僚や上司に、ご迷惑をおかけしまして、って病欠を詫びつつ年始のご挨拶。
笑みすら浮かべてる自分に驚いたくらい。

大丈夫。
傷がふさがって、かさぶたができて……そしたらきっと、きれいさっぱり忘れられる。
もう少し時間が経てば、きっと。

だから……うん、がんばろう。

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