イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

アトが残っちゃったら?
慰謝料とか請求されたらどうしよう?

あぁ今この瞬間に隕石が落ちてきて、地球が滅亡しないかな……
と顔をあげれば、憎らしいくらい晴れ渡った空の色が目に染みて。

くぅ、やっぱりダメかぁ。
なんて、がくっとうなだれた。

そこへ。

「おはよう」

軽やかに響くソプラノ。

振り向けば、ショートボブを揺らして、総務課の先輩・松尾(まつお)梓沙(あずさ)さんが立っている。

「おお、はようございますっいいお天気ですね!」

急いで姿勢をピンと伸ばし、にこっと笑顔を取り繕った。

だって誰にも言えないよ。
あの坂田くんのこと叩いちゃいました、なんて!

と、思ってたのに。

「金曜日、どうだった?」

< 37 / 539 >

この作品をシェア

pagetop