イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

かなりなインパクト、だったらしい。
瞬く間に洪水は収まり、呆然自失、といった体でこっちを凝視してくる。

「……ほんと?」

え、っと……そこまで期待されると、困るんだけど。
「うーん、たぶん」

「たぶん?」
「んー……十中八九、おそらく……?」

段々ジト目になっていく彼女に、えへ、と笑ってみた。

「嘘なんですか?」
「う、嘘じゃないってば。犯人とは断定できないけど、怪しいヤツの目星はついてるの。あとは詳細を突き止めるだけ。そうすれば、あなたの潔白もすぐ晴れるから」

「そんなに簡単にいくわけない」
「そうかもしれないけど、頑張ってみる。それくらいしか、わたしにはできないから」

ほんとにやりたいのは、たった一人で残業して頑張ってる彼のサポート。
でも門外漢のわたしじゃ、せいぜいコピー取りくらいしかできそうにないし、足手まといになるだけ……と落ち込んだところで、ふと西谷さんと視線が合う。

そして、閃いた。

「西谷さんっ! 坂田くんを助けてあげてくれない?」

「たす……ける?」

「そう。例の電話のせいで、誰も坂田くんのサポート、したがらないんだよね? 彼も気を使って、一人で全部やってるって聞いて。このままじゃ、きっと倒れちゃう。西谷さんが力を貸してくれたら、すごく助かると思うの。ね、どうかな。お願いできない?」

手を合わせ、そのまま縋る様に見つめた。

< 401 / 539 >

この作品をシェア

pagetop