イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

心の底からホッとした。
あの様子だと、彼が反社と関係あるなんて噂、もうみんな気にしてないみたい。

そりゃそうだよね。
努力と実力でトラブルを乗り越えて、大きなクライアントを獲得したんだもん。

ほんとにすごい。よかったぁ。

「西谷さんありがとね、坂田くんのこと手伝ってくれて」

笑顔を向けると、西谷さんが不満げに鼻を鳴らした。

「どうして坂田さんに言っちゃいけなかったんですか? 中村さんからサポート頼まれたこと」

あぁそうだったっけ。
余計な事するなって怒られちゃいそうだから、言わないでってクギ刺しといたんだよね。

あはは、と笑って誤魔化して、「とにかくありがとう」と重ねて言った。


「これで坂田さんのMVPは間違いなし。変な電話も最近はかかってこないし、人気再燃焼ですよ、絶対」

その言葉を裏付けるように、アシスタントの女子たちが人垣をかきわけて突進するのが見えた。

カラフルな小箱が続々手渡され……彼の両腕は、あっという間にそれでてんこ盛り。
あぁそっか、今日は――

< 421 / 539 >

この作品をシェア

pagetop