水に溺れた君と夏
箱に手を入れて紙を引く。

「10番、か。」

左から2番目のいちばん後ろ…。
窓側じゃなかったかぁ。
1列ぐらい変わらないかもだけど。

瑠璃はどこになったんだろ。

「瑠璃、どこだった?」

「真ん中の列の一番前だよぉ…」

てことは、11番だったのか。
…待てよ。

「ねぇ、瑠璃の右隣って上田君じゃなかったっけ。」

確か彼は22番だったはず。
ちらっと見えたのはここだけの話ね。

「ほんと!?」

瑠璃の顔が一気に綻ぶ。

「多分だけどね。」

違ってたらほんとごめんね、瑠璃。

「皆引いたな。よし、席移動しろー。交換すんなよー。
今の席でしっかりと励めよ?」

普段生徒から人気な先生が
にこり、と怖い笑みを浮かべていらっしゃる。

皆は静かになって
「…はい。」
返事して席を移動した。

怖い笑みがすごかった。
それはもう顔面蒼白並みに。

今の席からあまり離れてないので席を移動する。
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