俺様幼馴染の溺愛包囲網
age 15
家は隣同士。
幼稚園から高校まで同じ。
家族ぐるみの付き合い。

いわゆる、幼馴染という設定は完璧に整っている。

でも、百合絵おば様が出産直後1ヶ月を待たずに職場復帰したため、私と亮平の関係はもっと密だ。私の母の手によって、双子の様に育ったと言っても過言ではない。

亮平よりほんの少し早く生まれた私。

長女ということもあって、末っ子の亮平は私が面倒をみてあげる対象だった。

光太郎と同列…というか、光太郎より我儘で可愛くて手がかかる存在。

なんと言っても、百合絵おば様の美貌を受け継いだ亮平は、幼稚園の頃から他とは一線を画した整った顔立ちだった。

中身は、周りから甘やかされて育ったため、我儘で、俺様気質。

でも、末っ子で兄姉から可愛がられ、幼児期から目上の人に気に入られるコツを自然と身に付けていた。

俺様で人たらし。

そのギャップが彼の魅力で、小さい頃から彼の周りには友人がいっぱいいた。
もちろん、女の子にもモテた。

そんな亮平が私の自慢だった。


対する私は、枚岡家のくっきり幅の太い二重まぶたを受け継ぎ、目が大きいのに、いつでもおっとり、眠たそうに見える。

実際、テキパキ行動できるタイプではないんだけど。

ゆいちゃん、眠そうねー?

と言われるのは心外だった。

そういう顔なの!

と小さい頃は反抗したが、今では受け流す技も心得ている。

俺様亮平とよく泣く光太郎の面倒をみてきたため、忍耐力は人一倍ある方だと思う。

お姉ちゃんが面倒みるのって、当然のこと。

きっと有紗ちゃんを見てきたからだ。

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