俺様幼馴染の溺愛包囲網
「す、好きな人がいる!」

「……えっ…」

わぁ、俺なに言ってんだ⁉︎
いや、間違ってないのか?
たしかに好きな人は目の前にいるからな。
それより、言うことがあるだろ!

「あー、今まで…その…悪かったな!
その……ちゃんと言えなくて。」

「………」

あれ?
なんか、顔色悪くないか?

「大丈夫か?顔色悪くないか?まだ寒いか?」

「……ん、大丈夫。」

「俺、ずっとなにも言わずにお前と過ごしてきて、ホント悪かったと思ってる。
………俺、」

「それは、もう、こういう関係をやめようっていう話?」

「え?ま、まあ、そういう話、かな?」

これからはちゃんと公に婚約者としてだな…

「わかったよ。
……うん。わかった。じゃ帰るね。
あ、もちろん今まで通り、うちに食べに来てくれていいからね。気にしないで。
あ、でも…も、もうその人の手料理食べられるってことなんだよね?
…良かったね、亮平」

あれ?
どうも伝わってるような気がしない…。
いや、そもそも、好きだって言ってないじゃん、俺。

「ちょ、ちょっと待て!
なんの話だ⁇
話はまだ終わってないし、手料理ってなんだ?」

「好きな人が出来たんでしょ?違うの?」

「好きな人は目の前にいる。
出来たんじゃなくて、初めからいる。」

「…………え、」

< 72 / 88 >

この作品をシェア

pagetop