宇佐美くんの口封じ
遅れて俺と目が合ったせんぱいが追いかけてくる足音が聞こえ、
「っ宇佐美くん!」
呼び止められて、足を止めた。
「…やっぱい、今日いいです」
振られると分かって告白ができるほど、俺は勇者じゃない。
「つか、本気にしないでくださいね」
惨めな自分の傷がこれ以上えぐられないように。
「せんぱいのことなんて、最初から遊びだったんで」
俺だけが本気で彼女に恋をしていたと悟られないように。
簡単に人を傷つけてしまうような言葉を口にできてしまう自分が、俺は本当に嫌いだ。