君にとびきり甘い“愛してる”を。



「あ……えっと、どうぞ。」


声をかけて来たのは私の一個隣の席の人。髪はショートでキャピキャピしている感じがある……女性。


「もー! そんなよそよそしくしないでよ〜」

「は、はぁ……」

「私、桐野菜奈(きりの なな)! T大卒!よろしく!!」


(すごく元気な人だなぁ。こういう人、苦手だ。ちょっと、ついていけない……テンション高いし)


「あなたは?」

「あ……私は木森莉子(きもり りこ)です。」


私はこの人とは対照的に、比較的大人しめだ。それは学生の頃から。


「ねぇ、大学はどこ?」

「苺谷女子です。」

「えぇ!? 苺谷? お嬢様学校でしょ? へー……お嬢様っぽいもんねー」


お嬢様っぽいって……どういう意味かわからないけど。確かに私が卒業した大学は、お嬢様学校だ。

苺谷女子学院大学。
中学から大学までのエスカレーター式の学校で、ここら辺の人なら誰もが知っている……私立大学だ。


「そんなことないですよ。」


お嬢様学校と言われているけどそうではない。確かにお金持ちもいるけど……実力勝負の学校。
勉強ができる人もいれば、スポーツがプロレベルの人がいるんだよね。







< 3 / 54 >

この作品をシェア

pagetop