もういいや...と思ってた
歩いて20分くらいすると施設に着くが、今帰っても時間が早すぎて入れてもらえるか分からないから、近くの河原で寝そべる。やっぱり、外で見る空の方が果てしなく遠くまで広がる空が見えて好き。こうやって空を見ていると自分の悩みなんてちっぽけな感じがしてくる。



いつの間にか目を閉じ、寝てしまっていた。


何分経ったのか。いや、何時間経ったのか。晴れ渡った空がいつの間にか雲でどんよりして今にも雨が降りそう。そろそろ帰ろうかな。時間が分からないままとりあえず施設に帰る。中からガヤガヤと小さい子たちが遊んでる感じがある。それを注意する中高生の子の声。たった1日帰らなかっただけでなぜか懐かしく感じる。そのまま玄関から入り、

「ただいま」

誰にも聞こえてないかもしれないけど、小さい声で言いながら、自分の帰る場所があることに幸せを感じた。中に入り、自分の荷物を置き、皆でご飯を食べる部屋に行く。いつも通り、学校から帰ってきた時のルーティーンだ。

しかし、いつもと違うことがひとつ。いつもは特に何もせず、ただいるだけのスタッフが、こっちを見た途端すんごい剣幕でこっちに向かってくる。そして


"バチン!"

頬を勢いよく殴られた。皆がこっちを見る。痛さよりも、恥ずかしいところを見られた。あ〜小さい子が泣いちゃうかな。なんてすごく冷静に考えてた。
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