心を ほどいて  ~コーディネーター麻里絵
3

バイトの仲間には 

学校の友達と違う 連帯感がある。


同じシフトの あゆみさんと

私は すぐに 仲良くなった。


あゆみさんは 私より 1才年上の 女子大生。

私のように 地方出身で 1人暮らしをしている。


「私 こっちに来た頃は 寂しくて 毎日 泣いていたわ。」

「えー。あゆみさんが?そんな風に 見えないです。」

私は 驚いて あゆみさんを見る。


「私の実家 大家族だから。家には いつも 誰かいたの。」

あゆみさんは 少し懐かしそうな顔で 話し続けた。

「アパートに 1人でいると 部屋の中 シーンとしているじゃない?テレビの音だけが 響いていて。私 今死んだら 誰が 見つけてくれるのかな、とか考えちゃって。そうすると 涙が出てくるの。」

「私も そんな風に思うことある。」

私達は お客さんの少ない 暇な時間に そんなことを話して 笑い合った。




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