アテナ・イェーガー〜出会い、のちにキス〜

幼い頃、不安で眠れなくなったロネに母がキスをしてくれた。そのキスで安心感を心が思い出してくれたのだ。

「んっ……」

ロネは何度もアテナにキスをする。柔らかな感触と温もりに、ロネの中に幸せが生まれていった。

何十回キスをしたのかわからない。光を取り戻したアテナの赤い瞳から涙がこぼれ落ちていく。それは、ロネが初めて見たアテナの涙だった。

「私……私……」

ロネを押し倒したまま、アテナは子どものように泣きじゃくり始める。ロネはアテナの体に腕を回し、そっと抱き締めた。

「大丈夫だよ。俺は君のことを怖がったりしないから。アテナは素敵な女の子だから」

「ごめん、なさい……！ごめん、なさい」

しゃくり上げながらアテナは何度もロネの腕の中で呟く。胸を高鳴らせながらロネはアテナを抱き締め続けた。