幸せにしたいのは君だけ
11.君への想いを ~圭太~
カーテンの隙間から明るい朝日が差し込む。

柔らかな光が最愛の人の寝顔をそっと照らす。


腕の中にいる佳奈の柔らかな重みと体温に幸福感で胸がいっぱいになった。

むき出しの肩が冷えないようにそっと毛布をかける。

その際に、唇に小さなキスを落とすのも忘れない。


くすぐったそうな表情を一瞬浮かべる姿に愛しさが込み上げる。

なにより可愛らしくて愛しい、無防備な寝顔。

俺以外の誰にもこんな表情は見せたくない。


――佳奈が、いてくれる。

それだけでこんなにも幸せで満ち足りた気分になる。


つい数時間前に感じていた気持ちとは大違いだ。

佳奈を失ってしまうかもしれないという恐怖。

傷つけ、悲しませ、泣かせてしまった罪悪感。

きっとこれから先、一生忘れないだろう。

いや、忘れるつもりはない。


華奢なこの身体に彼女はどれだけの我慢を、辛い思いを抱えていたのか。

その気持ちを推し量ると、本当に自分が許せないし、情けない。


それなのに彼女はもう一度、こんな俺を受け入れてくれた。

それはもう奇跡としか言いようがない。

これから先、こんな思いは絶対にさせない。

俺のすべてで守りたいと願ったのはウソじゃない。
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