嘘つきは恋人のはじまり。
彼氏と仮氏

仮氏




幸せだった時間はいつの間にか日常に戻る。仕事が始まれば寂しい気持ちも薄れて、毎日が慌ただしく過ぎていた。


シュクレでは初の試みであった、スウィーツビュッフェのイベントをこのG.W中に行い、店舗ごとの売上や人気商品などを元に、商品の見直しや、夏季限定商品の戦略を立てていく。


一方、ADF+では木下さんと話し合いのもと、業務の見直しや残業時間を減少させるべく、あれやこれやと内制の問題、課題を洗い出しひとつずつ潰しているところだった。


リーダー的ポジションのメンバーが圧倒的に少なく、これからもっと組織が大きくなる上で必要な役どころに人がいない。


早急に社員育成をしつつ、無駄なコストを削減できるよう木下さんと相談しつつ話し合いを繰り返した。


そして。


「え、体調不良ですか?」


「ソーナンダヨ。おまけに熱は無いって言い張るしさ」


「だったら大丈夫じゃ」


「明らかに顔色悪いンだよ。そんな顔で商談に来るからサ。追い返すのにひと苦労した」


香月さんが夕方オフィスに戻ってくるなり、呆れながら文句たれた。木下さんも眉を下げて呆れるように笑うだけだ。梓だから仕方がないって。

 
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