恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
therapy1



「あの、私、本当に大丈夫ですから…っ」


こういう時、上司が相手だとどこまで強く物を言っていいのかが分からない。
自分がセーフだと思えるギリギリの範囲で出来るだけ声を尖らせてみるが、目の前で酔っ払って顔を赤くしている上司にはそれがまるで聞こえていないようだった。

「いいから。相澤さん家ってどうせここから何駅も向こう側でしょ?泊まって行きなよ」

──会社での飲み会の帰り。

たまたま帰る方向が一緒だという部長に強引に駅まで連れてこられてしまったが、まさかこんな提案をされる事となるとは、つい数分前の私は思ってもみなかった。

男性である部長と一緒に並んで歩くだけでも、嫌に速まる動悸や冷や汗を抑えるのに必死だったのに…まさかこんな。

「いいじゃん。相澤さんの事は前から可愛いと思ってたんだよね。真っ白い肌とか…そう、このふわふわの髪とか」
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